ちゃんと、わかっていた。 もう、絵が描けないんだって。 もう、筆を握ることはないんだって。 頭では、ちゃんと理解できてるの。 だけど心が、まだ理解してない。 心の片隅が、これは夢なんじゃないかって言ってるの。 …大丈夫、だよね?? 絵がなくなったって、私は生きてるもん。 それに…これからは翔がそばにいる。 翔がいれば、絵がない寂しさは埋められるはず。 そう、だよね――…??