「なんでだと思う?」 「……。」 質問のオウム返しをする翔を、再び軽く睨みつける。 それがわからないから聞いてるんだし! 意味のないやり取りにイライラする。 「……焦らすなら、別にいい。」 私はそう言い捨てると、私のキャンパスの前に座っている翔を乱暴に押しのけた。 そりゃあ、名前をどこで手に入れたのか、気にならなくもないけど。 翔に干渉してまで、聞きたいとは思わない。