サッカー場は自主練の時間。 俺は手に持っていたボールを、もう一度グランドに転がす。 そしてふと、思いだしていた。 ―――――――――… ――――――――… ―――――――… 俺が彼女を目で追いかけるようになったのは、春。 美術室で、1人で絵を描いている早口を見かけてからだ。 すぐに、気になり始めた。 彼女は、一体何を描いているのだろう。 彼女の目は、一体何を映しているんだろう。