だけどさ、私は絵を描きたいのに、こうして待っているんだし。 出来るだけ早く、用件を言ってほしい。 「えっと、早口さん、ごめん!あのね?」 私と話す勇気が出てきたのか、なんなのか。 駆け足で女の子は、戻ってきた。 「あの……、よかったら今日、一緒にカラオケ行かない?」 「……ごめん。無理。」 秒殺、とでも言ったところだろうか。 カラオケよりも、絵。 人付き合いよりも、絵。 そんなの考えなくても、決まりきっている。