『…もう! 勝利したのに、なんでそんなテンション低いわけ??』 正直、我慢の限界。 今の翔は、いつもとどこかが違う。 いつもみたいに爽やかじゃなくて… なんていうか、顔が強張ってる。 勝利を収めた時にする表情ではなかった。 突然大きい声を出した私に、翔は一瞬驚いたような顔をする。 けど、すぐにさっきの表情に戻ると、困ったように髪を掻いた。 「…ごめん。 ちょっと、緊張してて。」 『緊張…??』