『そんな物好き、翔ぐらいだよ…。』



ボソッと呟く。



真っ直ぐだからこそ、

翔の言葉は信じられる。


真っ直ぐだからこそ、

翔の言葉は、心に響くんだ。



「やった!

じゃあ、俺が早口の一番のファンだ!」



違和感なく翔の口から出てきた言葉、

“一番のファン”



それが私の心に、ジーンと浸透してる気がした。




――なんで、この時気づかなかったんだろう。


なんでこの時、軽く受け流してしまったんだろう。



“一番のファン”



それが、

後に大切な意味となることを知らずに――…