『…いよいよ明日だね。』 夏風がゆらゆらと私の長い髪を揺らす。 私は翔を直視せずに、筆をキャンパスへ滑らせていた。 「…うん。本当やばい… もう心臓がドキドキしてる。」 翔の声は震えていて、 顔を見なくても、緊張しているのが伝わってきた。 …明日。 明日はいよいよ、サッカーの全国トーナメント。 翔たちのチームは昨年の優勝校と当たってしまい… かなり厳しい試合が予想されてるそうだ。