計算されたような、その言葉に。 私の視線は翔へと移動する。 その先には、悪戯な笑顔を見せた翔が映っていた。 「早口なら、そう言ってくれると思った。」 『……。』 …あぁ、そうか。 翔は全てわかってて、やっていたんだ。 私が本気で絵が好きなことも。 『諦めた』と言いながら、どこか諦めきれなかったことも。 ――ドキン 鼓動が急速に高まったような気がした。 同時に押し寄せてくるのは、感じたことのない胸の圧迫感。