だけど、これだけは譲りたくない。


譲れない。



『…私、翔のおかげで
“変わろう”と思えることができたんです。』



力強く言い張った私を、彼は冷たい目で見る。


そんな彼を確認した私は、もう一度口を開いた。



『…翔が“変わるチャンス”をくれたから、

今度は変わった私を翔に見せてあげたい。』



そのためには、翔の存在は必要不可欠で。


こんなのワガママかもしれないけど、


私の成長を、
私の努力を、


翔に見届けてほしいの。