──コンコン……

──ガラッ


保健室の扉を開ける。


「樹里?」


中にいるであろう彼女を呼んだ。


「渉……」


声が聞こえた方に向かう。


「先生は?」

「たった今、担任の先生に報告しに行ったよ」


そっか。

んなら、もうちょっと帰って来ないよな。


樹里の声が聞こえるベッドの前に立った。

カーテンで隠されている。


「なぁ、入るぞ?」

「うん」


静かにカーテンを引き、中に入った。

ベッドに腰掛けている樹里。


「手当は終わったのか?」

「うん、先生がしてくれた」


ほら……というように、手足に巻かれた包帯を見せられる。

……悪いことしたな。

白い肌に巻かれた包帯が、痛々しい。


「樹里……ごめん」


謝りながら、細い体を抱き寄せた。