今日は、猪苗代先輩との二週間ぶりのデートの日。

お洒落に気合が入る。

お気に入りのブルーの下着に、もちろんババシャツは無し。


大人っぽいワンピースに、買ったばかりのトレンチコート。

8センチヒールのパンプスを履いて、私は、意気揚々と、待ち合わせ場所に向かった。



外で軽くごはんを食べて、それからホテルに行って……

いつものパターンだ。


『愛してるよ』

『やよいが一番好きだよ』

『やよいが一番可愛いよ』


心のこもらない言葉。

虚無。


本当に猪苗代先輩が私を愛していたら、小梅先輩とは別れると思うし……

あたしを本命にしてくれるはずだし……


そう。

でも、意味の無い、そんな言葉でも、あたしは嬉しかった。


大好きな人から囁かれる愛の言葉。

嘘でも、嬉しいよ。