舐めるなよ。
そんなものじゃビビりはしない。

確かに腹が満たされていれば、スルーしそうなサイズではあるが、
物量は有るものの小物ばかりのココでは、多少のリスクでも獲物は惜しいのだ。


近付くにつれて姿形がハッキリとしてくる。
逆三角の顔、強靭な顎、振り上げた前肢。

ヤバい。こいつカマキリだ。

スピードを落として間合いを取る。
カマキリは、昆虫内でも指折りの体躯と健啖っぷりで他を圧倒する肉食昆虫だ。
ともすればこちらが食われる。

どうする?
彼は勝敗を差し測る。
どうやったら安全に狩れる?
彼は優秀で獰猛なハンターだ。
だからこそ安易には引けなかった。