蜘蛛が障子のフレームから外れ、蟷螂が構えを解く。
蜘蛛が根負けし、蟷螂の粘り勝ちといったところか。
しばらくして蟷螂もゆっくりとフレームアウトしていった。


ようやくお婆さんは我に返る。
まるで夢のような、現実感が無い気がする不思議な小舞台だった。

室内は真っ暗で、庭の明かりがチラチラと動く。舞台に幕を閉じ(この場合逆に開けるわけだが)て貰おうと、お婆さんは大声でお嫁さんを呼んだ。
でも、まぁ、お嫁さんには悪いけど、ほんのちょっとだけ、続きを期待して。