小さい声だった。
普通のヤツなら聞こえてない。
たぶん……会長が、ここにいたとしても……聞こえてないだろう。
でも……。
大切で大切で。
愛しくて仕方ない。
コイツが望むなら……何でもしてやりたい。
どんな小さな表情や声の変化にも、見逃さないようにしてきた。
だから……聞こえてしまったんだ。
“別れて”という……1番聞きたくない言葉を。
「……別れるなんて……嫌だ」
「…………別れて下さい。お願いします……」
嫌がる俺に、頭を下げて……頼んでくる。
それでも……別れたくはねぇんだ。
杏を手放すなんて、考えたこともない。
「……一生……手放す気なんて更々ねぇから」
布団を握っていた手に、自分の手を重ねた。
普通のヤツなら聞こえてない。
たぶん……会長が、ここにいたとしても……聞こえてないだろう。
でも……。
大切で大切で。
愛しくて仕方ない。
コイツが望むなら……何でもしてやりたい。
どんな小さな表情や声の変化にも、見逃さないようにしてきた。
だから……聞こえてしまったんだ。
“別れて”という……1番聞きたくない言葉を。
「……別れるなんて……嫌だ」
「…………別れて下さい。お願いします……」
嫌がる俺に、頭を下げて……頼んでくる。
それでも……別れたくはねぇんだ。
杏を手放すなんて、考えたこともない。
「……一生……手放す気なんて更々ねぇから」
布団を握っていた手に、自分の手を重ねた。


