――杏樹Side――


「会長…大丈夫ですよ、このくらいのケガなんて」

「………良いから入れ」

「……はい」


深夜2時過ぎ……。


あれから、会長に右手を引っ張られて、寮まで帰ってきた。

部屋の前まで来たから、お礼を言って…中に入ろうとしたんだけど…。


「…消毒すっから…俺の部屋に来い」と強引に、会長の部屋に入れられた。


手を引っ張られ…リビングを通り、会長の自室へ入れられる。


電気をつけた部屋は、シンプルでブルー系に、まとめられていた。


「氷の判事にピッタリだなぁ…」

「座れ」

「…はい」


会長に見下ろされ…仕方なくベッドの上に座る。

清潔なタオルと水の入った洗面器を持ってきて…濡らしたタオルで、傷口を拭かれた。