13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


入学早々遅刻とか洒落になんねぇ!!

思いながら、ひたすら足を動かす。

真新しい制服は、どこか走りずらい。
家を出た時寒く感じたが、走っていると暑くてたまらない。


…あと少し!間に合う!!

もう学校へと続く、桜の並木道まで来ていた。

まるで入学を祝うかの様に満開の桜。

その美しさに思わず足を止めてしまいそうになる…
が、止まると遅刻が確定するので止められない。


あれ…?

前方に人影が見える。

足を進めるごとに近付いて、人影は大きく、はっきりしてくる。

女子…?

同じ高校の制服を着た女の子。

桜の花びらが舞い落ちる中で、
ぼーっと桜を見てる。

…遅刻するぞ……?

「…あたしも遅刻っ!!」

ほら…。

突然聞こえた女の子の独り言に、心の中で答えながらも、関係ないと素通りしようとした…その時、

「あー待って!」

呼び止められた。