「これでようやく…約束を果たせるね。」

「約束?」

「はるは忘れちゃった?俺の誓約書。」

「紙飛行機にしたやつでしょ!?ちゃんと覚えてるよ。」

「そう、それ。
それに書いた言葉も覚えてる?」

「書いた言葉…。」

「『五十嵐陽は、戸田晴香のそばを一生離れないことを誓います。』
ようやくその誓いが果たせる。
もう絶対…はるから離れたりしない。
一生…はるだけを想う。はるだけを…愛してるよ。」


甘すぎる台詞と、その声に目眩がする。
だけど…その言葉はあたしだけに向けられたものだってことが、陽の目で分かる。
だからあたしも逸らさずに…


「あたしも…ずっと陽だけ…陽だけが好き…。
絶対ずっとそばにいてね…絶対離れないで…。」

「うん。」

「陽。」

「ん?」

「大好きっ!!」


あたしは精一杯背伸びをして、陽のほっぺにキスをした。


「はるっ…!!」

「えへへー♪ドキドキした?」

「…お返し。」

「え?」


陽の、甘い甘い唇へのキス…


「行くよ。」

「うんっ!!」


これからは1秒だって寂しい思いをしなくていいの。
だっていつでも陽が隣にいてくれるから…。
陽の隣を歩くのはあたしだから。



「大好きー!!」

「分かってるって。俺も大好き。」



*END*