「お前がそう思ってんならそれでいーよ。」

「な…何その言い方!!あたしが勘違いしてるみたいじゃない!!」

「勘違いじゃねぇけど…ってそうでもないか…?
ま、俺、実際そんなに出来る男じゃねぇよ。
普通に妬くし、独占欲強いし。」

「それは…あたしも同じだから…。」

「そうか?お前、あんま妬かなくね?」

「え?そう見える?」

「見える。」

「それは…久哉が鈍感なだけだよ!!
ってもうそろそろ戻ろう…よ。今何時…?」


そう言って振り返った梨絵の腕を引っ張って、俺の方へと引き寄せる。



「梨絵。」

「え?」




俺に名前を呼ばれて顔を上げた梨絵の唇にそっとキスを落とした。




「ちょ…な…なんで…?」

「なんでって、彼女にキスすんのに理由いる?」

「いや…でもっ…。」

「したくなったからしただけ。
今後もしたくなったらすっから覚悟しとけ。」

「覚悟って…。」

「ほら、戻るんだろ?行くぞ。」


俺が差し出した手をぎゅっと握る梨絵。

ホントはあんま戻りたくねぇけど…

もう夕方だしな。


「久哉っ!!」

「なんだよ?」

「また来ようね、海。」

「ああ。今度は二人っきりでな。」

「うんっ!!」


*久哉side END*