「じゃ、スタート。」


飛鳥の声シーンと静まり返る。



「一曲お相手願えますこと?」

「あ…ああ。」


スッと梨絵の手を取る陽。

こうして見ると…
ホントに皇子様とお姫様みたい…
しかもすっごくお似合いだし!!

隣には安藤。
顔がすごいことになってる。
めちゃくちゃ歪んでる。

「あんどー…
めちゃくちゃ顔歪んでる。
すっごいぶさいく。」

「はぁー?んなこと言ってるお前も眉間にシワ寄ってんぞ。」

「え?」


あたしはそう言われて自分の眉間に指をあてる。
あ、ホントだ。


「おあいこ、だな。
多分考えてること一緒だと思う。言ってみる?」

「…うん。せーのっ!!」

「「お似合いだなー」」

「な?被っただろ。」

「うん…微妙に嬉しくない。」

「自分よりモテるやつ恋人にするといらねーヤキモチ妬かなくちゃなんねぇよな。」

「うー…でもそれちょっと同感。」

「なーに二人でバカなこと言ってるのよ。」

「え…りか…。」

「ま、お似合いだけどね。梨絵と陽。
あ、あなたたちもお似合いよ?いろんな意味で。」

「はぁー!?全然似合ってなんかないーっ!!」

「うるさいわよ。今、二人演技中なんだから静かにしたら?」

「むーっ!!」


うるさくさせたのは衣里香なのにっ!!