【蒼刃side】



「え…?」



確かに自分の名前がこいつの声で呼ばれたのを聞いた。
でも…そんなことは有り得ない。



「ごめんね…蒼刃。」



再び『蒼刃』と呼ぶ声がした。
さすがに空耳ではないと信じたい。

その青の目は俺を捉えて離さない。
こいつが目覚めた時に俺を見た目とは違う。
この目は…俺が良く知っている…








「約束の言葉…もう一度言ってくれてありがとう。
だからあたし…思い出せた。
蒼刃のことも…大切な気持ちも。」





その言葉に曇りはなかった。





「お前…本当に思い出したのか…?」

「…うん。」

「星来…なのか…?」

「あたし…だよ?」



俺はそのまま、星来の腕を引いて自分の胸へと抱き寄せた。