「それより、怪我はないか?」

「あたしなら大丈夫です。全然、怪我とかしてないです。」

「そうか。それなら良い。」


そう言って視線を共鳴石に戻す紫紀さん。


不意に後ろから服の裾を掴まれた。
振り返ると…


「桃依?どうしたの?」

「星来、あの時、紫紀に時間を止めてもらったの?」

「う…うん…
だから時間が止まってる間に移動することができて…。」

「そっかぁ…でも良かった…。
ボク、マイサの剣が落ちた時、すっごくすっごくびっくりして、心臓が止まりそうになっちゃったよ…
今、目の前で星来がこうして無事でいてくれることがボクはホントのホントに嬉しいよっ!!」

「桃依…。
って桃依も怪我してる…。」


あたしは桃依の右のほっぺに触れる。
でもすぐに引っ込めた。


「ごめん…
あたしまた…気持ちを読んじゃうとこだった…。
傷の手当てもしてあげたいんだけど…
あたしじゃ何も出来ないから…。」

「そんなことないよ。」

「え?」