アクアマリンの秘密

「記憶と引き換えにイアル様を封印…だと?
そんなこと…いや、そんな魔法…聞いたこともない。」

「でしょうね。
使われたことがあるのかも分からないし、使ったこともないから成功するかどうかさえも疑問だけど…。
可能性があるのなら…やるわ。」

「記憶を失ってもいいのか?」

「…正直言えば嫌だけど…。
でもみんなが死んじゃうことの方が嫌だから。
あたしの力で出来るなら…やる。そう決めたの。」

「…涙の理由はそれか。」

「…見苦しいところ見せちゃってごめんね。」

「いや、それは構わない。」

「…止めない…でよね。瑠香は。あと、怒らないで。」

「あやつらはきっと怒るだろう。」

「うん。分かってる。
だから瑠香は怒らないで。」

「止めても無駄なようだな。
その目は本物だ。」

「…うん。
あと、泣いたことも…言わないで。」

「…分かっている。」

「瑠香って時間を止められたりする?」

「多少は…な。」

「じゃあお願いがあるの。」

「何だ?」


瑠香にお願いがある。
しかも2つ。