「あなたの持つ優しさは強さになるわ。
あなたは…あなたを成す軸の部分が決して揺るがない。
だからこそ…私の記憶操作の魔法に気付いていたのに…アメを食べなかった。
あなたはあの重い過去を背負うと決めた。
それはあなただけが持ち得る強さと言えるんじゃないかしら?」
「…母上。」
それ以上言葉にしたら、涙が溢れてきそうだった。
でも、ここで涙を見せるわけにはいかない。
僕に強さを見出してくれた母上を失望させたくない。
きっと…もう二度と、こんな風に言葉を交わすことなんか出来ないのだから。
「…そろそろ時間だわ。
あなたはあの回廊を渡って星来の元へ…。」
「蒼刃は?」
「…相手がお父様だから…少し時間がかかっているようね。
でもあなたは先に、現実の世界へと戻らなくては…。」
「…そうですね。」
「緑志。」
「はい。」
「私は…あなたたちが自分の子どもであるということをとても誇りに思ってるわ。
あなたたちを生むことが出来て幸せよ。
あなたたちの成長を見守れないことが悔やまれるけれど…。
それでも…やっぱりあなたたちが生きていることの方が嬉しいわ。とてもね。」
「…約束、守ります。」
「ええ。『強く、生きなさい。』」
「はい。」
僕はもう振り返らなかった。
右手でぐいっと目をこすった。
あなたは…あなたを成す軸の部分が決して揺るがない。
だからこそ…私の記憶操作の魔法に気付いていたのに…アメを食べなかった。
あなたはあの重い過去を背負うと決めた。
それはあなただけが持ち得る強さと言えるんじゃないかしら?」
「…母上。」
それ以上言葉にしたら、涙が溢れてきそうだった。
でも、ここで涙を見せるわけにはいかない。
僕に強さを見出してくれた母上を失望させたくない。
きっと…もう二度と、こんな風に言葉を交わすことなんか出来ないのだから。
「…そろそろ時間だわ。
あなたはあの回廊を渡って星来の元へ…。」
「蒼刃は?」
「…相手がお父様だから…少し時間がかかっているようね。
でもあなたは先に、現実の世界へと戻らなくては…。」
「…そうですね。」
「緑志。」
「はい。」
「私は…あなたたちが自分の子どもであるということをとても誇りに思ってるわ。
あなたたちを生むことが出来て幸せよ。
あなたたちの成長を見守れないことが悔やまれるけれど…。
それでも…やっぱりあなたたちが生きていることの方が嬉しいわ。とてもね。」
「…約束、守ります。」
「ええ。『強く、生きなさい。』」
「はい。」
僕はもう振り返らなかった。
右手でぐいっと目をこすった。



