アクアマリンの秘密

「なんだ…?」


冷たいはずの雪が何故か不思議なほどに温かい。
これは…。



『紫紀。』

「か…おう…なのか…?」



声は聞こえるものの、姿は見えない。



『ええ。私よ。』

「姿が見えない。」

『もう、私に身体はないの。
それに私は人間として死ぬことは叶わなかったから…。』

「…。」


その言葉に、何も言えなくなる。
そもそも華央にかける言葉なんてありすぎる。でも何もないとも言える。


『ありがとう、紫紀。』

「お前に礼を言われるようなことは何一つしていない。」

『あなたが憎しみに囚われた私のマガイモノに負けていたら…私がこうしてあなたに会うことは出来なかった。』

「俺は…またお前を…。」

『それはいいのよ。
そうすることでしか進めないの。
あなたが進むためには…斬らなくてはならなかったのよ。』


華央の言葉が罪悪感の中に染み込んでいく。