アクアマリンの秘密

その瞬間に、あの時の最期を再現するかのように少しずつ雪へと変化していくその体。
俺は見ていられなくて思わず顔を背けた。


「し…き…。」

「呼ぶな。
…もう俺には何も出来ない。」



『華央』ではないと分かっていても、同じ声であるというだけで充分すぎる。



どのくらいの間、顔を背けていたのだろうか?
もはや華央の顔をした何かは雪へと成り変わっていた。




「これで…いいんだ。」




時間を進めるなどと大層なことを言ってはいるが、それはむしろ言い聞かせていると言った方が正しいかもしれない。
そう言い聞かせなければ進むことなんて出来ない。
心は未だ、華央から離れられないでいる。



「華央の姿一つでこんなに動揺するなんて、どうかしている。」


会えないことは明白だ。
この手で斬ったのだから。
なのにこんなに…


「会いたいだなんて…思う自分は…やはり甘いな。」


そう呟いた時だった。

ほのかな雪が俺の身体の周りに集まった。