アクアマリンの秘密

その言葉の真意が読み取れないままの俺に向かって氷の刃を向けてくる華央。
動きに反応するのが遅れた俺の左脇腹を、その刃がかすめた。



「…死んでくれないの?」

「生きると約束した。」

「誰と?」

「お前とだ。」



段々読めてきた。
目の前の「華央」は華央の顔をした別物だ。
俺との最期の記憶がない。



「紫紀。一人は嫌なの…寂しいわ。あなたがいてくれなくちゃ…。」



そう涙声で訴える華央。
いつの間にか、目からは殺気が消えている。
…これも策略のうちなのか。



「らしくないな、華央。」

「え?」

「お前らしくもない。
そんな風に弱さをさらけ出すなんてな。」



俺の知っている…いや、俺の愛した華央はそんなことは言わない。
いつだって真っすぐで、美しかった。
いつも強くあろうとしていた。
弱さを抱えながらもずっと。