アクアマリンの秘密

【紫紀side】



故郷を思い出すような雪が舞う、チェス盤のようなものの上に立つ俺と華央。
その瞳は華央のものというよりはむしろフェイのものに近い。
漂う殺気と憎しみの宿る視線に、華央を華央として認識することの方が難しかった。



「また…こうして会う日が来るとはな。
あれが最期だと思っていた。」

「…紫紀は…私のことをちゃんと愛してる?」


そんな殺気だった目で見られて、答えられるはずもない。


「今のお前を愛しているとは言えない。」

「どうして?」

「俺の知っている華央は、そんな目をしたりはしない。」

「…そう。
私がこんなに愛しているっていうのに、あなたは私を愛していないのね。」

「…そうじゃない。」


それは違う。
もう二度と会うことなどないと分かっていても、どこかに君の面影を探してしまう自分を否定できない。
君が目の前に現れた時に、複雑な感情が蘇ってきたことが嘘だとは言えない。



「なら…証明して。」

「何をだ?」

「あなたの愛をよ。紫紀。」

「どうやって?」

「…私と一緒に死んで。」