勝負は一瞬で決まる。
いつだか燈龍がそう言っていた事を思い出す。
「は…くと…おま…え…。」
「本物の燈龍の声が聞こえたんだ。
斬れるって言っただろう?」
目の前の燈龍の身体を持つ「何か」が音もなく崩れていく。
人間ではないらしく血も出ない。
ただ、その身が剥がれ落ちていくかのように少しずつ消える。
「俺は…お前…が…憎い…。」
「…そっか。
でもオレは君のことが憎くはないよ。
何者なのかは分からないけど、オレは君のおかげでまた一つ、強さを手に入れた。」
その言葉を発し終えたその瞬間に、全てが消滅した。
「今の言葉まで、ちゃんと聞こえたかな。」
気がかりなのはそれだけだった。



