「俺の目的…。
そうだな…しいて言えば…お前たちが『アクアマリン』へ行くまでを見守ることだ。」

「見守る…?」

「ああ。
だから俺はイアルに忠実なフリをしてビシアスとして動きまわっていたわけさ。
イアルだって驚いてるだろうな。
俺に月叉としての記憶があったなんて。
俺の次に作られたフェイには、記憶がなかったから。」

「…おかしくないか?」

「何が?」

「アクアマリンが襲われたのは…ヴァニティーファウンテンよりも後だろ…?
普通なら華央が先にビシアスに…。」

「お前の言う通りだ。
本来ならば華央が最初のビシアスになるはずだった。」

「ならなんで…?」

「本当のところはイアルに聞かなくちゃ分からないが…
まぁ…さしずめ俺は実験台だったんだろうな。」

「実験台…?」

「ああ。イアルが欲しかったのは、俺よりも華央の能力を受け継ぐビシアスだったはず。
…たまたま成功したのが俺だ。」


俺は言葉を失った。


「フェイは消えた。次は俺の番だ。
俺が消えれば、全てのビシアスが消滅する。
アクアマリン以外の共鳴石は全て戻る。
それは必ず…お前たちにとって役に立つ。




…だから斬れ。
この両腕から、共鳴石を奪うんだ。」




俺は剣を構えた。

桃依と紫紀に頷く。



『今、斬るぞ』と。