そう言って緑志が差し出したのは…


「なにこれ…?」

「濡らしたタオル、目にあてておいた方がいいよ?
二人とも目が真っ赤だし…。
それに星来は少し腫れてるし…。
少しその濡れタオルを目にあてたまま、休んでて。
出来たら運ぶからさ。」

「あ…ありがと…。」


俺はタオルを目にあてた。
ひんやりとして気持ちいい。
つーかこいつ…俺が泣いたってこと分かってたんだな…。


星来は緑志に言われたままにゆっくりとキッチンを出た。
俺は緑志の方に顔を向けた。





「何?」

「いや…サンキュ。色々と。」

「うん。」





何も言わなくても分かってる。
今なら全て。





「蒼刃ー!!緑志のハンバーグ、楽しみだねっ!!」

「ああ。」



俺は星来の隣に腰かけた。

もう…多くは望まない。
たとえ手に入らなくても…それでも…

お前の隣に居たいと思った気持ちと、そのままでいいと言ってくれたお前の気持ちがあればそれで…。