アクアマリンの秘密

俺の感情をせき止めていたものはこいつの言葉であっけなく崩壊し、俺はゆっくりと言葉を吐き出した。




「俺は…弱いんだ。」

「うん。」

「お前を守りてぇのに…守りてぇって思ってんのに…。
あの光景が蘇るんだよ。
父さんが貫かれた瞬間も、イアルの言葉も。」

「うん…。」



『イアルの言葉』なんて言っても、こいつには分かんねぇのに、ただ黙って俺の言葉に耳を傾けてくれる。



「悔しいけど…間違ってねぇんだ。あいつの言葉。
父さんが死んだのは俺のせいで、あの時死ぬはずだったのは間違いなく…俺だ。」

「…。」

「剣を出そうと思っても…出せない自分に腹が立つんだよ…。
握れない。
弱い自分は…斬っちゃなんねぇもんを斬っちまいそうで…。」



俺の言葉に、俺を抱きしめる腕の強さを一気に強める星来。
いつの間にか…泣いてる…?



「お前…泣いてんのか…?」

「ご…っ…ごめ…っ…な…泣くつもりなんか…全然なかったのにっ…。
蒼刃の気持ち…読まないように魔法かけたはずなのに…
哀しい波動だけはどうしても伝わって来て…涙が…。」


俺に抱きつきながら、涙を零す星来。
…その細い肩を、俺はぎゅっと抱きしめた。