アクアマリンの秘密

あたしはドアノブに手をかけてグイッと回し、そのまま強引にドアを開けた。

目の前には…かなり痩せて、虚ろな目をした蒼刃。



「お前…。」

「蒼刃…なんで…そんな目してるの…?」

「…。」

「すごく…やつれちゃったし…。」

「…。」

「あたし…すごく心配で…っ…。」



泣くつもりなんかなかったのに、蒼刃の顔を見たらどんどん溢れてくる涙。



「星来…。」

「ずっと…ちゃ…ちゃんと…目を見て話したかったのに…っ…。
1週間も…顔合わせられなくて…。
あんな風に蒼刃が倒れちゃって…心配で…。あたし…。」



その先は言葉にならなかった。
言葉にさせてもらえなかった。



蒼刃にぐいっと右腕をひかれ、いつの間にか蒼刃の腕の中にいるあたし。
いつもとは比べ物にならないくらい弱い力で引き寄せられたことに驚いたけど、それでも…蒼刃の腕の中はやっぱり温かかった。
その腕の温かさに安心して、涙はどんどん零れ落ちていく。