「…最強ではない…。」

「そうだ。
それこそ俺が叶えられる願いだったのに、俺は最期まで華央を越えることは出来なかった。
願いが叶えられなかった結果がこれだ。
俺は2度と同じ間違いを繰り返したくない。だから…。」

「華央さんを忘れないと、前に進めない。
そう続くんですか?」

「…華央のことを思い出す度に立ち止まっていては…進めない。」


進まなくちゃならない。
華央はああ言っていたけど、実際、華央を目の前にした俺は、ただ立ちすくんでしまった。
前にも後ろにも進めず、硬直した。
何の使いものにもならなかった。

あれでは守れない。何も。
今度こそ守らなくてはならない。

俺を守ってくれた、華央を守ってくれた、彼女を。
命に代えても…今度こそ絶対に。この手で守らなくては。


















「…生意気なこと言わせてもらってもいいですか?」

「…なんだ?」