「な…何言って…。」
「本当のことだ。
でも、別に華央の気持ちが聞きたいから言ったわけではない。
お前の気持ちなら、聞かなくても知っている。」
私をその腕に抱きしめたまま、少し切なげな声でそう呟く紫紀。
その声が耳元で聞こえるからくすぐったい。
それに…そんな言葉を次々言われて、いつの間にか涙も止まってしまっていた。
…紫紀…。あなたは知らないわ。私の本当の気持ちなんて。
自分でも…この気持ちの正体がよく分からなかった。
でも…今なら分かるわ。
…あなたの腕の中だけなの…。こんなに満たされた気持ちになるのは…。
私に強くなくてもいい、ありのままの私でいいだなんて言ってくれるのはあなただけ。
私に好きだなんて言ってくれるのも…朝霧紫紀。あなただけよ。
嫌いだった“はず”のあなたを、私はいつの間にか…。
「紫紀。」
「?」
私のことを腕から少し解放して私の目をじっと見つめる。
その目がいつもとは少し違って見えて、不意にどきっとする。
雪が降ってきた。
柔らかく光りながら、ゆっくりと舞い落ちる。
「あなたは分かってないわ。私の気持ち…。」
「え?」
私はかなり背伸びをして、紫紀の頬にキスをした。
あの時、真っ赤に染まった顔で驚いた紫紀を、私は今も鮮明に覚えている。
まるで昨日のことのように…
とても愛しい想い出として…。
「本当のことだ。
でも、別に華央の気持ちが聞きたいから言ったわけではない。
お前の気持ちなら、聞かなくても知っている。」
私をその腕に抱きしめたまま、少し切なげな声でそう呟く紫紀。
その声が耳元で聞こえるからくすぐったい。
それに…そんな言葉を次々言われて、いつの間にか涙も止まってしまっていた。
…紫紀…。あなたは知らないわ。私の本当の気持ちなんて。
自分でも…この気持ちの正体がよく分からなかった。
でも…今なら分かるわ。
…あなたの腕の中だけなの…。こんなに満たされた気持ちになるのは…。
私に強くなくてもいい、ありのままの私でいいだなんて言ってくれるのはあなただけ。
私に好きだなんて言ってくれるのも…朝霧紫紀。あなただけよ。
嫌いだった“はず”のあなたを、私はいつの間にか…。
「紫紀。」
「?」
私のことを腕から少し解放して私の目をじっと見つめる。
その目がいつもとは少し違って見えて、不意にどきっとする。
雪が降ってきた。
柔らかく光りながら、ゆっくりと舞い落ちる。
「あなたは分かってないわ。私の気持ち…。」
「え?」
私はかなり背伸びをして、紫紀の頬にキスをした。
あの時、真っ赤に染まった顔で驚いた紫紀を、私は今も鮮明に覚えている。
まるで昨日のことのように…
とても愛しい想い出として…。



