「…華央…?泣いているのか?」
なっ…なんでいきなり呼び捨てなのよ!?
それに…泣いてることに触れてこないで。
そんなことを思う私の気持ちなんて全然無視して、朝霧紫紀が近付いてくる。
私は無理矢理涙を拭った。
雪が目に入る。冷たくて痛い。
「あなたがいるって…分かってたら来なかったわ。」
「…そうか。…すまないな。」
「え?」
「『一人で泣きたい。』
全身でそう言ってる。」
それだけ言い残して、本当に去って行く朝霧紫紀。
「ちょ…ちょっと…
あなたの用事はもう終わったの?」
「華央の用事の方が急を要しているように見える。
俺がいては邪魔だろう?」
「それは…まぁ…そうだけど…。」
「…素直だな。」
ぽつんと呟いて、私に背を向けて行ってしまった。
でも…そのおかげで私は思う存分泣くことができた。
誰も見ていない場所で。
『有坂華央』でいなくてもいい場所で。
なっ…なんでいきなり呼び捨てなのよ!?
それに…泣いてることに触れてこないで。
そんなことを思う私の気持ちなんて全然無視して、朝霧紫紀が近付いてくる。
私は無理矢理涙を拭った。
雪が目に入る。冷たくて痛い。
「あなたがいるって…分かってたら来なかったわ。」
「…そうか。…すまないな。」
「え?」
「『一人で泣きたい。』
全身でそう言ってる。」
それだけ言い残して、本当に去って行く朝霧紫紀。
「ちょ…ちょっと…
あなたの用事はもう終わったの?」
「華央の用事の方が急を要しているように見える。
俺がいては邪魔だろう?」
「それは…まぁ…そうだけど…。」
「…素直だな。」
ぽつんと呟いて、私に背を向けて行ってしまった。
でも…そのおかげで私は思う存分泣くことができた。
誰も見ていない場所で。
『有坂華央』でいなくてもいい場所で。



