「亡くなって…いる…？」

「…そう。
だから…ああして現れたのは、華央であるはずがない。
あるわけがないんだ…。」



苦しそうにそう吐き出した白斗さん。
その言葉の重みが伝わってきて、何も言えなくなる。



「その、華央ってやつは紫紀のなんなんだ？
なんで紫紀は顔が同じってだけでそんなに動揺する？」

「はぁ…これだから鈍い男は困るね。」

「はぁ!?うるせぇな。
いいから教えろよ。」

「華央は…紫紀の…恋人だよ。
だから…動揺する。
蒼刃だってそうだろう？考えてごらんよ。
死んだはずの恋人と同じ人間が目の前に現れた。
それで平常心を保っていられたらそんなやつは人間じゃない。」

「……。紫紀の…恋人…。」

「でも僕がフェイを見たとき…紫紀のこと、全然知らないみたいな顔してた…。」

「そう。そこが引っかかるけど…。」

「けど…何？白斗。」

「…記憶は操作される可能性もあるから。」

「え？」