アクアマリンの秘密

* * *


あたしはボロボロの蒼刃に駆け寄った。
剣を地面に突き立てることでギリギリ立っていられる…まさにそんな感じだった。


「蒼刃っ!!」

「なんつー顔してんだよ…。んな顔すんなっ…!!」

「だって…蒼刃…傷だらけで…っ…!!」

「やっと連れてきたか…。遅ぇんだよ、白斗。」

「ごめんね。」

「覚悟は決まった…って顔だな。」

「ようやくね。」


「やっとお出ましか…アクアマリンの姫君よ。」

「えっ!?」


その声のする方へと振り返った。
あたしの目線の先には…


ほぼ白に近いくらいの薄い青の長い髪。
そしてその髪と同じ色の冷たい目。
表情はとても穏やかなのに、どこか狂気に満ちている。

その全てを兼ね備えた男が大広間と思われる場所の真ん中上空に浮かんでいる。
水をその身に纏いながら…。