康太は 人懐っこい性格だけど
異様に恭介に懐いている気がする。
その光景を見ていて
「言ったら?恭介に」
と 直美が言う。
「ダメ絶対ダメ
直美も それらしい態度取っちゃだめだよ」
「ハイハイ」
「おーい 美咲
康太が あれに乗ろうって」
恭介が 指を差したのは観覧車。
私たちの過去の出発地点だ。
観覧車の中で告白されたんだよね。
場所は ここじゃなく
違うけど・・・。
「康太 あれに乗りたいの?」
「うん」
と 頷く。
「仕方ないな・・・
恭介おじちゃんと 行ってきなさい」
「お前も乗れよ」
「私は 下で待ってるよ」
「いいから・・・」
と 私の手を引っ張った。



