『…おじゃましまーす。』 靴を揃えた後、そろりと家の中へと足を忍ばせる。 もちろん、ちゃんと靴の向きを揃えて。 無理やり連行されたとはいえ、そこらへんのマナーはちゃんと守る。 それがあたしのポリシーだ。 「おぉ。曲がったところにベッドがあるから、適当にくつろいどいて。」 そんな先生の言葉に、あたしは返事をする代わりに小さく頷いた。 そして遠慮がちに、リビングにつながっているであろう扉に手をかけた。