『…失礼します。』 「おぉ、待ってたぞ~」 数学準備室の扉の向こう。 そこには爽やかなスマイルを浮かべる、先生の姿。 そんな先生を見るなり、あたしは抗議した。 『先生!?さっきのはなんなんですか!? あんな問題解けるわけないでしょう!?』 あたしが口を開いた途端、あからさま、顔を背ける先生。 動揺が隠しきれてない。 …やっぱり、あの問題はわざとなんだ。 怒りと呆れが混ざったような感情が、あたしの中に入り混じる。