side春馬 初めて、彼女に触れた。 こんな風に抱き合ったのは初めてだった。 ――いつもは、抱きつこうとしても拒否されていたし。 あげくにビンタされていたし。 結構酷い扱いを受けてた俺。 でも今、そんな彼女が俺の中にいる。 実際は俺の思い過ごしには変わりないんだけど。 彼女と気持ちが繋がったようで嬉しかった。 ――彼女。 名前は金本美緒。 俺の、生徒。