しかし、そんな空気の中で笑っている人がいた。


「クスクス。土方さんやってくれますね。」


「沖田さんは怖くないのですか?」


「何がです?」


キョトンとした顔で聞かれ私は一瞬言葉が詰まった。


「何がって………法を破れば切腹ですよ。」


「法を破らなければ良いことですし、私は、新選組から離れるつもりはありません。ずっと近藤さん達についていきますから。」


沖田さんはそう言って外をジッと見た。


何処か遠くを見ている沖田さんを見て私は嫌な予感がして仕方がなかった。