恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―



「太陽の光も水も、十字架も。普通の人間と同じ生活するには支障ない。

そんなの迷信だろ。……まぁ、今の世の中ではヴァンパイアの存在自体迷信だけど」

「迷信……」

「科学的な根拠の全くないもの、もしくはそういった存在」


呟くと、藍川が説明を入れてくれる。


根拠の全くない存在……。

その言葉が頭に引っかかって、思わず藍川の腕を掴んだ。

少し驚いた顔で見られたけど、そんな藍川をじっと見つめる。


「藍川は……急にどっかに消えちゃったりしないよね?

ちゃんと高校卒業するんだよね?」


藍川が迷信だなんていうから、急に不安になった。


あたしはヴァンパイアがどんなものなのかをまだよく知らない。

だけど、その存在があたしの知る人間とは異なっている事だけは分かってるから。


藍川が急にどこかに消えたりしても、おかしくない気がして、そんな事を考えたら不安で堪らなくなった。