恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―




あの日、生徒会室で血を吸ってから、あたしへの態度が変わった。

思い出すと恥ずかしくなるようなあたしの告白を受けて、藍川も心を開いてくれたって事なのかな。

だとしたら、嬉しいけど。


どんどん近づいているように感じる距離。

伝え合えた強い気持ち。


だけど、藍川のすぐ傍に立つには、どうしても必要なモノが足りない。

絶対的に、足りない。


それが記憶だって分かっているから、気持ちが焦る。


どうすれば思い出せるのか。

そればかりが頭の中をぐるぐる回っていた。



「じゃあ、次回挨拶運動は7月第二週目でお願いします。

次回生徒会役員の集まりは……」


委員会を閉めたのは、草野くんの言葉。

それを合図に、生徒会室から出て玄関に向かう。