恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―



「相手が、藍川だからだよ……。分かってるくせに」

「分かってても、くるみの申し出を受けるわけにはいかない」


ぴしゃりと言い切った藍川に、苛立ちが募る。

なんで、こんなにも頑なにあたしを拒むの―――……?


「あたしがいいって言ってるじゃん!

藍川は……あたしの気持ちを受け入れてくれたんでしょ? だったら、あたしの望みも受け入れてよっ!

拒否、しないで……」

「拒否してるわけじゃ、」

「分かってよ……っ! あたしだって、藍川のために何かしたいっ。
   
記憶を失ってる分、藍川にしてあげられる事があるなら何でもしたい……っ。

自分でも信じられないくらいに藍川が好きだって言ったよね? だったら、そう思うのだって当たり前でしょ?

あたしがヴァンパイアだったら……藍川だって、血を差し出すでしょ?」

「……仮定の話をしていても仕方ないだろ」

「理屈こねないで!」

「事実だろ。くるみこそ、言い訳がなさすぎる」