恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―



『顔色が優れないようにお見受けできますが。……最後に人間の血を吸ったのはいつですか?』


藍川が止めたのは、きっとあたしが杏子さんの言葉を気にしてるって事が分かったから。


だけど、ここまで来て引き下がるなんてわけにはいかない。

自分の責任だから、っていうのもあるけど、でもそれ以上に感じる想いがある。


『私のでよろしければ今すぐにでも差し上げますが』


つまらないやきもちなのかもしれない。

だけど、あたし以外の誰かを求める藍川を想像しただけで……、胸が張り裂けそうに痛む。


記憶を失う前のあたしが、胸の奥で悲鳴を上げてるみたいに。


「だって、藍川の顔色悪いもん。それ、あたしの責任だよ。それに、他の……」

「だったらくるみは、自分で思い当たらないような事で責任を求められても、それに従うのか?」


言いくるめようとする藍川を、キっと睨む。

藍川はじっとあたしを見たままだった。