恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―



じっと見つめながら聞く。

藍川の瞳が、動揺からか揺れたのが分かった。


もしもあたしが、全部分かった上で自分の血を差し出したのなら。


なんで記憶を失っているのかは分からないけど、無責任だ。

今までは何も知らなかったから藍川の顔色の悪さを気にしながらも、何もしなかったけど……。


それがあたしのせいだったって聞いた途端、心の隠れた部分から罪悪感が湧いてくる。


そんなあたしの心の声が聞こえたのか、藍川は薄く微笑みを浮かべて首を振った。


「くるみが責任を感じる必要なんかない。……それに、俺はくるみの血を吸ったとは言ってないよ」

「……嘘つかないで」


空中でぶつかる視線。

あたしに負けじと視線を返してくる藍川の態度は……きっと、あたしを想っての事だ。


きゅっと唇を噛んで、藍川を見つめる。