恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―



「あたしの血を吸った事があるから、他の人の血は吸えないなら。

……藍川は、あたしの血しか吸えないって事だよね?」


ずっと、考えてた。

藍川はいつ血を吸ってるんだろうって。

あまりにそんな様子を見せないから、今のヴァンパイアには血なんか必要ないのかな、とまで思ったりしてた。

そうだったらいいな、なんて事も思ったりしてた。


……けど、血を吸わない……、吸えない理由がまさかそんな事だったなんて。


記憶を失う前のあたしが、どんなシチュエーションでどんな言葉で自分の血を藍川にあげたのかは、

どんなに考えたって分からなかった。


だけど、藍川が無理矢理にした行為じゃないって事だけは分かる。

あたしの合意の上だって事は……本能的に分かる。


「前のあたしは……藍川が一度あたしの血を吸ったら、もう他の人の血を吸えなくなるって分かった上で、藍川に血をあげたの?」