「紫貴様はあなたのどこに惹かれたのかしらね」
初っ端から失礼な言葉で入った杏さんに、呆気にとられる。
でも、すぐに面白くない気持ちになって、ジロっと軽く睨んだ。
「……さっき、ずっと見てましたけど、あたしになにか用でしょうか。
っていうか、あまり校内にいると先生に見つかった場合、ちょっと問題なんですけど」
さっき杏子さんを他校の転入生って言った手前、ここにいる事がバレたらまずい。
そう思って言うと、杏子さんはしれっとした表情で言う。
「大丈夫よ。今は誰の気配もしないから」
「……」
気配くらいなら、あたしもたまに感じる事はできるけど。
だけど今杏子さんが言ってるのは、ヴァンパイア特有のモノなんだと思う。
聴力と同じように、きっとそういう感覚についても人間離れしてるって事……。
とりあえず、安心して杏子さんに視線を戻す。



