俺は怒鳴ったあとにさっきのバケツに手を入れて本を取り出す。 わざと彼女に大げさに見せるように。 確かに大切な本だったけれど ないととても困るっていうほどのものではなかった。 それでも少し大げさに言ってみた。 ちょっとからかってみるつもりで。 俺が怒りながら言ったものだから彼女の顔がみるみる焦っていく。 「アタシ…なんとかして弁償しますから!」 焦って言う彼女が可笑しくて少しからかってみようと思った。